アブストラクト(37巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Fontan手術の新しい手術適応評価法-肺動脈遮断試験による肺血流負荷時の肺血管抵抗-
Subtitle : 原著
Authors : 澤渡和男, 今井康晴, 黒沢博身, 福地晋治, 河田政明, 松尾浩三, 青木満, 山岸正明, 太田淳, 中沢誠*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学心研循環器小児外科, *東京女子医科大学循環器小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 2
Page : 208-217
Year/Month : 1989 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Fontan手術の新しい手術適応評価法である肺動脈遮断試験(PACT)を考案し, Fontan手術予定の13例に施行した. PACTは, 血流負荷に対する肺の予備能力を評価するとともに術後肺血流量付近での予測肺血管抵抗を術前に算出して, Fontan手術の最終適応基準とすることを目的とした. 方法は, 術中肺血管抵抗Rpoを求めた後, 片側肺動脈を遮断して, それぞれQpR下の右肺血管抵抗及びQpL下の左肺血管抵抗を求め, 肺循環システムを電気的アナログ化してOhmの法則の並列抵抗式を近似式として算出した等価抵抗を(Qp+Qp)時の予測肺血管抵抗(Rpc)とした. 肺血流負荷による肺血管抵抗変化率(Rpc-Rpo)/Rpoは-0.51から+0.68であった. そしてRpc≦3unit・m2を適応基準としてFontan手術を9例に施行し, 良好な結果を得た. 術後肺血管抵抗Rp'は2.6±0.50unit・m2, 心係数CIは2.8±0.54L/m2であった. Rp'とRpc及びRp'とCIは有意な相関(p<0.01)を示したが, Rp'と術前肺血管抵抗には相関を認めなかった. PACTによる血流負荷時の肺血管抵抗Rpcは, 理論的に優れた適応評価の指標であり, Rpc≦3unit・m2が適応基準となる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Fontan手術, 手術適応基準, 肺血管抵抗, 肺動脈遮断試験, 電気的アナログ化
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