アブストラクト(37巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 眼筋型重症筋無力症に対する拡大胸腺摘出術の効果
Subtitle : 原著
Authors : 梁徳淳, 中原数也, 大野喜代志, 橋本純平, 前田元, 三好新一郎, 松村晃秀, 水田隆俊, 明石章則, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 2
Page : 313-317
Year/Month : 1989 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 14人の眼筋型重症筋無力症症例の術後の効果を検討した. 寛解9人, 改善3人, 不変2人で全身型への進展例はなかった. 術後1年, 3年, 5年, 10年の寛解率は各々, 50.0%, 58.3%, 60.0%, 80.0%で, 有効率は64.3%, 75.0%, 80.0%, 100%であった. 全身型(191人)と比較して寛解率は高値で術後1年では有意差を認めた(p<0.05). 寛解例と非寛解例の平均術前有効期間は7.2±6.5, 85.6±45.8カ月で寛解例の有症期間が有意に短かった(p<0.05). 更に, 最近3年間に当院外来を受診した89人において, 術後の症状の変化を検討した結果, 調査時点で(術後経過観察年数1~12年, 平均4.6年)62人(69.7%)に術後も眼症状が残存し, 48人(53.9%)に他の全身症状が残存していた. すなわち, 全身型における眼症状は他の症状に比べて消失しやすいということはなかった. 以上より, 眼症状単独の症例に対しても早期に拡大胸腺摘出術を施行することによって良好な成績を期待し得ると考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 眼筋型重症筋無力症, 胸腺摘出術, 外科治療成績, 有症期間
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