アブストラクト(37巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ベーチェット病に合併した大動脈弁閉鎖不全症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 小関雅義, 原直, 中島博, 三石績, 鈴木隆三, 赤坂忠義
Authors(kana) :
Organization : 帝京大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 2
Page : 366-369
Year/Month : 1989 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : ベーチェット病に合併した大動脈弁閉鎖不全症に対し, 大動脈弁置換術を施行しその手術法に対して人工弁を大動脈壁外側より短冊状のテフロンを用いて固定し良好な経過を得たので報告する. ベーチェット病に大動脈弁閉鎖不全を合併した報告は現在まで18例で本邦では本例を含め16例に過ぎない. ベーチェット病は大動脈弁のみならず大動脈壁周囲にも炎症が波及するため, このような人工弁の固定法が有効と思われる. また, ベーチェット病は全身性及び進行性の慢性炎症性疾患であるためステロイド剤などによる炎症の鎮静化が術前術後を通じて必要であり, 本疾患に対し決定的な治療がない以上, 今後の厳重な経過観察と全身管理が必要である. ベーチェット病は, 全身臓器に多彩な変化を来す慢性疾患であり, 心血管系にも変化を来すことが知られている1). われわれは, 大動脈弁閉鎖不全を合併したベーチェット病に対し, 大動脈弁置換術を行ったが, その手術法について若干の工夫を加え良好な経過を得ているので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Behcet病, 大動脈弁閉鎖不全, 人工弁固定法, ステロイド剤
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