アブストラクト（37巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 心筋梗塞後心室中隔穿孔手術後の遠心ポンプによる両心バイパスの1経験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 芳賀佳之, 四津良平, 相馬康宏, 廣谷隆, 申範圭, 井上正 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 慶應義塾大学医学部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 37 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 370-373 |
| Year/Month ： | 1989 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 心筋梗塞後心室中隔穿孔の術後に人工心肺より離脱困難となった患者に対し遠心ポンプによる両心バイパスを施行し, 8日間の延命効果を得た. ポンプ流量は心係数2.5l/min/m2に保ち, IABPの併用で30～50mmHgの脈圧を得ることができた. 両心バイパス開始後にプロタミンを使用して完全な止血を得た後, 3日目から再びヘパリンによりACTを200秒程度に保った. 心機能は両心バイパス開始当初には改善がみられたが, 補助循環からの離脱不能なままで漸次低下し, 8日目に死亡した. 剖検所見では広範囲の陳旧性心筋梗塞がみられたが臓器の浮腫は認められず, 多量の心筋が壊死したことが心機能回復を不可能にしたものと思われた. 遠心ポンプは簡便で臨床上有効な補助循環の手段であり, その効果は拍動型補助心臓に比肩し得る. 急性心筋梗塞や開心術後の低心拍出量症候群（LOS）に補助人工心臓を使用することで心機能を改善せしめ得ることが明らかになってきている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 補助循環, 遠心ポンプ, 傷心バイパス |
