Authors : |
中島淳, 進藤剛毅, 松永仁, 岡部英男, 川内基裕, 関口昭彦, 田中公啓, 田中修, 古瀬彰, 浅野献一* |
Abstract : |
連合弁膜症に対し, 大動脈弁置換術及び僧帽弁置換術を行った70症例について, 僧帽弁後尖弁下組織温存術式の効果を非温存術式と比較検討した. 温存群(AVR+modified MVR)37名, 非温存群(AVR+conventional MVR)33名であった. 手術成績について, 病院死は温存群1例(2.7%), 非温存群4例(12.1%)であり, 温存群が病院死亡率が低い傾向にあった. 死因は, 4例が低心拍出量症候群(LOS)に起因するものであり, 非温存群中の1例のみ原因不明の突然死を来した. IABP装着は温存群2例, 非温存群4例であり, 温存群において少ない傾向にあった. 術直後血行動態においては, 心係数, 左室1回仕事量において温存群が優れた傾向にあった. 退院前心エコー検査では, %FS, PEP/ETにおいて温存群が優れていた. 以上より, 術直後の血行動態の良好な温存群がLOS発生が少なく, 手術成績が良好であると共に, 術後退院時においても良好な左心機能を有することが示された. |