Abstract : |
1.狭小大動脈弁輪症例に対し, 19mm人工弁(二葉弁)を使用し大動脈弁置換術(AVR)を施行した20例の, 術後平均31カ月の時点での遠隔期成績を検討した. 2.20例中19例が生存しており, うち18例が遠隔期に運動能力の改善が認められ(NYHA I度15例, II度3例)社会復帰が可能であった. 3.遠隔期の心臓超音波検査UCGで測定した, a.左室壁厚は, 術前25.8±6.4mmから24.5±3.7mmへ変化した. b.左室拡張末期径LVDdは, 術前48.9±8.3mmから42.2±5.7mmへ(p<0.01), 左室収縮末期径LVDsは, 術前32.2±8.2mmから25.7±4.9mmへ(p<0.01)有意に改善した. 4.Continuous wave Doppler(CWD)法で計測した遠隔期の安静時の人工弁圧較差は9~36mmHg, 平均26mmHgであった. 以上より, 術後平均31カ月経過した時点では, 狭小大動脈弁輪に対する二葉弁の19mm大動脈弁置換術症例の遠隔成績はほぼ満足すべきものであり, 心臓超音波上, 及び臨床上は人工弁の有する圧較差の影響は許容範囲にあると考えられた. |