アブストラクト(37巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : ACバイパス術前後の左心機能の評価に関する新しい試み-Ejection Vector(E.V.)の応用-
Subtitle : 原著
Authors : 古川斎, 中川康次, 増田政久, 椎原秀茂, 鶴田好孝, 山口敏弘, 加瀬川均, 大貫洋子, 阿部弘幸, 奥井勝二
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 3
Page : 490-497
Year/Month : 1989 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : A-Cバイパス術を施行した34症例の左室造影を解析し, 従来用いられてきたEjecton Fraction(EF100)よりもEjection Vector(E.V.=2×EF50/EF100)の方が左心機能のより鋭敏な指標になりうるか否か検討した. 術前心筋梗塞合併の有無はEjection Indexに差をもたらさなかった. EF100は術前後で有意な変化はなかったが, EF50は29±9.1%→34±9.8%(p<0.005), またE.V.は1.02±0.188→1.18±0.183(p<0.005)と有意に増加した. 術後, 日常生活レベルが明らかに改善しているにもかかわらずEF100に差を認めなかった15例のEF50とE.V.は各々36±10.2%(p<0.05)及び1.26±0.148(p<0.005)と有意に増加していた. 術後の運動負荷テストで改善を示した12例中11例は, LADへのバイパス成功例であり, EF100には有意の変化はなかったが, EF50は術後38±8.1%(p<0.025), またE.V.は1.25±0.091(p<0.01)と有意の増加を認めた. また, 術前後E.V.の差のベクトルを評価することは, EF100に比べA-Cバイパス術前後の左心機能判定のより鋭敏な指標になりうると思われた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : A-Cバイパス, 左心機能, 運動負荷, Ejection Fraction 50, Ejection Vector
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