アブストラクト(37巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 最近の術後気管支断端瘻例の検討-瘻発生につながる因子についての検討-
Subtitle : 原著
Authors : 佐藤雅美, 斎藤泰紀, 藤村重文, 薄田勝男, 高橋里美, 菅間敬治, 今井督, 須田秀一, 仲田祐, 橋本邦久*
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科, *岩手県立中央病院呼吸器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 3
Page : 498-503
Year/Month : 1989 / 3
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 最近の肺切除例を対象に術後気管支断端瘻発生につながる因子について検討した. 断端瘻は炎症肝疾患と右肺全摘術(p<0.001)及び右下葉切除術(p<0.001)に多く発生し肺癌例では病変の進行に伴って増加する傾向がみられた. 中でも切除断端に癌遺残のあった症例(p<0.05), 胸腔内に制癌剤を散布した症例(p<0.01)で多かった. 気管支鏡検査では, 瘻は切除断端の残存肺葉側端に集中しており, 断端に生じる張力が縫合不全の一因となると考えられた. 乱数表を用いて任意に抽出した対照群との比較では, 術前には熱発, ステロイド剤の使用, 喀痰中のインフルエンザ菌, 血沈値の亢進, 貧血の因子が気管支瘻群に多く, 術後では, 熱発, ステロイド剤の使用, 白血球増多, 気管切開術, 気管支鏡による喀痰吸引の因子が気管支瘻群に多かった. これらの要因をもつ症例では慎重な経過観察が必要と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : postoperative bronchopleural fistula, risk factor, developing mechanism
このページの一番上へ