アブストラクト(37巻3号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左冠動脈主幹部閉塞, 大動脈弁閉鎖不全を来した左バルサルバ洞動脈瘤の1例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 東茂樹, 三竹啓敏, 川田光三*, 今村洋二*, 蜂谷貴* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 静岡赤十字病院循環器科, *慶応義塾大学医学部外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 3 |
Page : | 561-566 |
Year/Month : | 1989 / 3 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は50歳の男性で, 労作時息切れ, 動悸を主訴として来院した. 胸部X線上, 左第III弓に, 左方へ突出する半球状陰影がみられ, DSAにて径8cmに及ぶ左バルサルバ洞動脈瘤と判明した. 心臓カテーテル検査にて, 左冠動脈主幹部閉塞,右冠動脈より左前下行枝, 左回旋枝への側副血行, 及びSellers II度の大動脈弁閉鎖不全が確認された. 以上より, 本部は, 巨大な左バルサルバ洞動脈瘤の形成, 拡大に伴い, 左冠動脈主幹部が圧迫, 閉塞され, 且つ, 左冠動脈弁の弁輪に偏位を来し, 大動脈弁閉鎖不全を呈したものと考えられた. 手術は, 人工血管によるパッチを用いた動脈瘤開口部閉鎖, SJM弁23Aによる大動脈弁置換, 及び大伏在静脈を用いた左前下行枝へのACバイパス術を施行した. 本例は先天性左バルサルバ洞動脈瘤の極めてまれな症例であり, 若干の考察を加えて報告した. バルサルバ洞動脈瘤は, その90%以上が右冠動脈洞より発生し, 左冠動脈洞から発生するものは, わずか1.1%にすぎない1). |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | バルサルバ洞動脈瘤, 左冠動脈主幹部閉塞, 大動脈弁閉鎖不全 |