アブストラクト(37巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 肺癌の縦隔臓器浸潤に対する経食道的超音波内視鏡検査の有用性に関する検討
Subtitle : 原著
Authors : 崎尾秀彦, 山口豊
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 4
Page : 650-657
Year/Month : 1989 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 縦隔臓器浸潤は肺癌手術の可否を決定する要因である. 胸部X線CT等にて縦隔臓器浸潤の疑われた肺癌症例22例, 臓器別には, のべ27例に対し, 経食道的超音波内視鏡検査(以下, E-EUSと略)を施行し, その有用性について検討した. E-EUSの所見から浸潤の有無及び程度は, Grade0~IIIの4段階に分類し, 縦隔臓器を, (1)左主肺動脈, (2)大動脈, (3)左房~肺静脈, (4)上・下大静脈, (5)食道に分けて症例ごとに検討を行った. Grade0は, 腫瘤と周囲臓器との間にhyperechoic areaを認めるもの, GradeIIIの, 内腔に突出する病変は, CTや血管造影等にてある程度診断可能であるが, GradeIやIIの, 腫瘤が縦隔臓器壁に接するような場合には, CT等では浸潤の有無の判定が困難な場合が少なくない. E-EUSでは, 壁の層構造の微細な変化が描出され, 呼吸性移動や心・大血管の拍動との同期性の有無をreal-timeで, 動的画像として観察することにより, より正確な診断が可能であり, 本検討では, sensitivity, specificity, accuracyは, それぞれ77.8%, 81.8%, 80.8%であった. また, 上大静脈, 下行大動脈, 食道など縦走する臓器では, 壁に沿った浸潤範囲の推測も可能で, 必要な合併切除範囲の決定に有用と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺癌, 縦隔臓器浸潤, 合併切除, 超音波食道内視鏡, real-time
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