アブストラクト(37巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Valved pericardial roll(VPR)を用いたexternal conduit手術
Subtitle : 原著
Authors : 岸本英文, 八木原俊克, 磯部文隆, 山本文雄, 西垣恭一, 藤田毅, 佐藤勇*, 新垣義夫*, 高橋長裕*, 神谷哲郎*
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 4
Page : 658-663
Year/Month : 1989 / 4
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心膜で作成した弁つきのロール“valved pericardial roll(VPR)”によるexternal conduit手術を20例に行い, 術後早期の弁機能につき検討した. 手術時年齢は2カ月~15歳, 平均6歳であった. 遠位側conduitは, 最初の1例で自己心膜を, 以後の19例ではglutaraldehyde処理ブタ心膜を用いて二弁(5例)または三弁(15例)付きのVPRを作成し, 肺動脈と吻合した. 近位側conduitには, woven Dacron double velourまたはglutaraldehyde処理ウマ心膜を用いてロールを作成して心室と吻合後, 遠位側及び近位側conduitを吻合した. 術中に測定したVPRの遠位側吻合部での収縮期圧較差は0~27mmHg(6±8)(平均±標準偏差), 弁での圧較差は0~8mmHg(1±2), 近位側吻合部での圧較差は0~34mmHg(12±10), 肺心室流入部から末梢肺動脈までのtotalの圧較差は0~38mmHg(20±11)であった. 術後平均13カ月に行った心臓カテーテル検査時に測定した弁での収縮期圧較差は, 自己心膜を用いた第1例目で66mmHgに増大したが, 以後のブタ心膜を用いた6例では圧較差の増大を認めていない. 超音波パルス・ドップラー法により行った肺動脈弁逆流の程度は, 術後1年4カ月の観察期間で弁逆流を認めないものが4例, 軽度6例, 中等度4例, 重度1例であった. また逆流なしから軽度へ, 軽度から中等度へ増強したものがそれぞれ1例ずつであり, 8例は増強を認めなかった. 今後長期の観察が必要であるが術後1年余りでは心膜弁は有効に機能していると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : External conduit手術, Valved pericardial roll, 超音波パルス・ドップラー法, 肺動脈弁閉鎖不全
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