アブストラクト(37巻4号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 左房内球状遊離血栓を伴う僧帽弁狭窄症の2治験例 |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 水元亨, 千種弘章*, 岡部学, 竹田寛**, 矢田公, 草川實 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 三重大学医学部胸部外科, *三重大学医学部救急部, **三重大学医学部放射線科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 4 |
Page : | 723-728 |
Year/Month : | 1989 / 4 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 左房内球状遊離血栓(ball thrombus)は極めてまれな疾患である. また, その移動性のため狭い弁口に嵌頓し突然死を来したり, 多発塞栓症を生じ易いため生前診断は困難とされ, 手術的に摘出された例は非常に少ない. 今回, われわれは多発塞栓症を起こし断層心エコーにて左房内ball thrombusと診断された2例を経験し, 手術的に摘出し得たので報告する. また, 当教室における過去3年間の僧帽弁狭窄症症例94例の検討の結果, 術中に左房内血栓を認めたものは18例(19%), うち左房内ball thrombus症例は1例で, 8年前の1例を含め過去に計2例を経験しており, 特に左房内ball thrombus症例では狭小な弁口面積, 心係数(CI), 駆出率(EF)の低下が特徴的であった. 僧帽弁狭窄症には左房内血栓の合併が高率に認められるが, 球状遊離血栓(ball thrombus)を有するものは極めてまれである. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 左房内球状遊離血栓, ball thrombus, 僧帽弁狭窄症, 左房内血栓 |