アブストラクト(37巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 急性リンパ性白血病に合併した肺ムコール症の1切除例
Subtitle : 症例
Authors : 近藤順義, 品田純, 平井三郎, 山本記顯, 吉村博邦, 石原昭
Authors(kana) :
Organization : 北里大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 4
Page : 734-737
Year/Month : 1989 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺ムコール症はまれで, 且つ予後不良の疾患であるが, 最近われわれは急性リンパ性白血病の寛解導入療法中に併発した肺ムコール症の1例に肺葉切除術を行い良好な結果を得たので若干の文献的考察を加え報告した. 症例は51歳, 男性, 主訴は発熱, 呼吸困難. 精査の結果, 急性リンパ性白血病と診断され, 化学療法が開始された. 化学療法開始後約3カ月目, 胸部X線上浸潤影を認め, 抗生剤が投与されたが, 軽快しないまま, 空洞を認めるようになった. この時点で肺アスペルギルス症が疑われたため, 白血病に対する化学療法を一時中止し, ファンギソンが投与された. ファンギソンの投与により, 陰影の縮小をみたが, 陰影は残存し, 早期に化学療法を開始する必要性があったため, 左上葉切除を行った. 術後3週間にて, 白血病に対する治療が再開され, 術後6カ月の現在, 再発の兆候なく良好な経過をとっている. 肺ムコール症は, まれな疾患であり, 且つ一般に悪性血液疾患の末期に合併することから, 生前診断は難しく, 予後不良の疾患とされている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺ムコール症, 肺葉切除
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