アブストラクト(37巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 難治性胸水の胸腔静脈シャントによる治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 大泉弘幸*, 建部祥, 乾清重, 石原良, 鷲尾正彦*
Authors(kana) :
Organization : 鶴岡市立荘内病院胸部外科, *山形大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 4
Page : 751-754
Year/Month : 1989 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は64歳の女性で, 特発性門脈圧亢進症を発症し, その後7カ月目に急激に出現した大量の胸水による呼吸困難を来した. 胸腔穿刺排液を頻回に要したため, デンバー腹腔静脈シャントチューブを応用し, 胸腔静脈シャント手術を施行した. 術後2カ月後に腎不全の進行によるシャント不全を来したものの, それまでの間, シャントは有効に働いた. 本術式は, 難治性胸水や乳糜胸に対して試みる価値のある方法と考えられた. 難治性胸水の治療は困難であり, その種々の原因及び病態に応じた最適の治療法を選択する必要がある. 最近われわれは肝疾患に合併するまれな病態である肝性胸水に対し, 胸腔静脈シャント術を行い有用と思われたので報告する. 症例 症例:64歳, 女性 主訴:呼吸困難 既往歴:糖尿病, 糖尿病性腎症, 糖尿病性網膜症にて失明, 高血圧, 心筋梗塞 現病歴:昭和61年7月より腹部膨満が出現し, 当院内科にて特発性門脈圧亢進症による腹水貯留が疑われ加療された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腔静脈シャント, 肝性胸水, Hepatic Hydrothorax, 胸腔シンチグラフィー
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