Title : |
大動脈弁位Bjork-Shiley弁の機能不全の診断と治療におけるCineradiographyの意義 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
西義勝, 青柳成明, 平野顕夫, 田中攻, 柳泉, 島田昇二郎, 楊井剛, 小須賀健一, 大石喜六 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
久留米大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
37 |
Number : |
6 |
Page : |
1088-1093 |
Year/Month : |
1989 / 6 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
1973年の2月より1987年12月までの14年10カ月の間に377個のBjork-Shiley弁(以下B-S弁)を用いて大動脈弁置換(以下AVR)を施行した. その間, 臨床所見・心音図・心エコー図から血栓弁などの人工弁機能不全がないと思われる30例の大動脈弁位B-S弁について, Cineradiographyによる生体内におけるdiscの開閉運動を観察しdisc最大開放角を測定した. また同期間に6例の血栓弁を経験し, これらについてCineradiogramによるdiscの運動を中心に血栓弁の診断と治療について検討を行った. 開放角が60度のConvexo-Concave valve(CC60)の生体内でのdisc最大開放角は58.8°±1.9°で, 開放角が70度のMonostrut valveのそれは69.4°±2.1°であった. 血栓弁6例中5例にCineradiographyを施行した. 全例に26°~58.9°の開放制限を, 4例に9.2°~41.8°の閉鎖制限を認めた, 血栓弁の6例に対して血栓溶解療法を2例, 血栓除去術を4例, 再弁置換を2例に行った. 血栓溶解療法を行った2例の内, Cineradiogramでdiscの開放制限のみ示した例ではdisc運動の完全な改善を見た. また開放制限は改善したが閉鎖制限が残存した例では血栓弁のため再弁置換を要した. 血栓溶解療法は, discの開放制限のみでCineradiogram上閉鎖制限がなく, 心エコー図上で血栓を描出し得ない新鮮な血栓弁に有効と考えられた. 血栓除去術を行った4例の内3例では再手術後最長8年を経過するが, , 血栓塞栓症の再発を認めていない. 以上より, Cineradiographyは大動脈弁位B-S弁における血栓弁の診断及び治療法の選択に有用と考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
Bjork-Shiley弁, Cineradiography, 最大開放角, 血栓弁, 血栓溶解療法 |