アブストラクト(37巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道癌における抗癌剤感受性試験の検討-特にSubrenal Capsule Assayの臨床治療応用への可能性に関して-
Subtitle : 原著
Authors : 福井博行, 羽生富士夫
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学消化器外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 6
Page : 1121-1130
Year/Month : 1989 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道扁平上皮癌39例に対し抗癌剤感受性試験SRCAを施行した. 正常免疫能マウスBDF1を用い, 移植腫瘍片の基礎的並びに組織学的検討を行い, 臨床治療例との相関からSRCAの臨床治療応用の可能性を検討した. 移植片は移植3日目より細胞浸潤と血管新生が観察され, 移植片径は6日目まで増大し, 7日目には縮小した. 宿主反応を抑制するための免疫抑制剤CPM前投与は, 6日目まで移植高径に影響を与えなかった. 判定方法は, 食道扁平上皮癌では, 容積法よりも簡便な長短径平均法で十分であった. 肉眼的生着率は88.2%, 評価可能率は94.9%で, 各薬剤の有効率はCDDP24.3%, BLM5.9%, MTX8.6%, VDS20.7%であった. 組織学的には, 効果判定が有効になる程, 癌組織占拠面積は減少していた. 組織分化度では, 分化度が低いほど感受性有効な傾向がみられた. 移植臓器では, 食道癌主病巣よりも転移リンパ節の方が奏効例が多くみられた. 臨床相関率は92.3%で, 食道癌治療におけるSRCAの臨床治療導入の可能性が示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌, 抗癌剤感受性試験, Subrenal Capsule Assay, 臨床応用
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