| Abstract ： |
大伏在静脈を使用した単独冠動脈バイパス術（CABG）598例を対象としてCABGの遠隔期の効果をCARDIAC EVENTの面から検討を加えた. CABG598例中病院死は4.9%, 遠隔期死亡は3.8%であった. 遠隔期死亡23例中心原性死は7例30%, 非心原性死は16例70%を占めていた. 心原性死7例中急性心筋梗塞（AMI）は5例, 心不全2例であった. 遠隔期生存率, 及び全合併症－FREE RATIO, 心原性合併症－FREE RATIOは5年目で各々88%, 70%, 91%で8年目では各々84%, 56%, 83%であった. AMIは18例に合併し, 5例が死亡した. AMIの原因はグラフト閉塞9例, 冠動脈病変の進行5例, 不明4例であった. CARDIAC EVENTに対してはPTCRを4例, PTCAを9例, 再CABGを8例にそれぞれ施行した. PTCR, PTCAには死亡例を認めなかった. 再CABGに手術死亡は認めなかったが, 2年4カ月後に心不全のため1例死亡した. CABG遠隔期における非心原性死因を除く生存率は良好である. しかし, 経過観察中AMIの合併を3%に認め, 術後の冠危険因子対策と共に, 狭心症の再発を見れば, PTCAや再CABGなどの適応を積極的に考慮する必要性が示唆された. |
