アブストラクト(37巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胃大網動脈free graftを用いた冠動脈バイパス再手術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 須磨久善**, 西本孝*, 川上万平*, 森田大*
Authors(kana) :
Organization : 大阪医科大学胸部外科, *大阪府三島救命救急センター, **三井記念病院循環器センター外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 6
Page : 1194-1196
Year/Month : 1989 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 57歳女性の冠動脈再手術に右胃大網動脈free graftを内胸動脈グラフトとともに使用し成功した. 胃大弯に沿って剥離した右胃大網動脈をfree graftとして採取し, 第1対角枝へ吻合した. その近位端は前下行枝に吻合した左内胸動脈へ端側吻合し, Yグラフトとした. 術後経過は順調で, 狭心痛は完全に消失し, 術後6週目に行った造影により両グラフトの良好な開存を認めた. 本例は右胃大網動脈をfree graftとして使用した本邦第1例であり, 今回の経験から冠動脈バイパス手術における有用なグラフト材となり得ることが示された. 冠動脈バイパス手術における動脈グラフトの優位性は既に広く認められ, 内胸動脈(IMA)の使用が増加しつつある. また第2の信頼しうる動脈グラフトとして右胃大網動脈(GEA)がPym1), Sumaら2)により報告され, 臨床に用いられつつある. 今回われわれは再手術症例に対してin-situ IMA graftと共にGEAを“free”graftとして使用し良好な結果を得たので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 冠動脈バイパス手術, 内胸動脈グラフト, 胃大網動脈グラフト, 冠動脈再手術 虚血性心疾患
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