アブストラクト(37巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 漏斗部に憩室様嚢を有した高齢者純型肺動脈漏斗部狭窄症の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 高橋俊樹, 榊原哲夫, 野村文一, 横田博雅, 松田暉*, 川島康生*
Authors(kana) :
Organization : 大阪警察病院心臓血管外科, *大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 6
Page : 1197-1201
Year/Month : 1989 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 漏斗部嚢を有する高齢者の純型肺動脈漏斗部狭窄症を経験した. 症例は, 50歳, 男性. 心臓カテーテル検査にて右室左室収縮期圧比1, 肺動脈右室収縮期圧較差125mmHgであった. 右室造影では, 漏斗部狭窄所見に加え, 漏斗部左右に突出する一対の憩室様の嚢を認めた. 本症例に対し経肺動脈的に漏斗部狭窄部切除を行った. 術中, 心室中隔欠損は認めなかった. 術後1カ月の肺動脈右室収縮期圧較差は16mmHgに減少し, 右室造影では, 漏斗部嚢の拡大は認めなかった, 高齢者純型肺動脈漏斗部狭窄症は極めてまれな疾患であり, 本例は本邦における最高齢の手術報告例であった. 更に本例のごとく漏斗部嚢を有した純型肺動脈漏斗部狭窄症の報告はいまだ認められない. 成人期に手術の対象となる先天性心疾患は主として心房中隔欠損や心室中隔欠損であり, 高齢者純型肺動脈漏斗部狭窄症の手術例は極めてまれなものと考えられる1)2). 最近, われわれは, 50歳の純型肺動脈漏斗部狭窄症の1手術例を経験し, 更にこれに右室漏斗部に憩室様の嚢の合併を見たので, 若干の文献的考察を加え報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺動脈漏斗部狭窄症, 漏斗部嚢, 高齢者, Intact ventricular septum
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