アブストラクト(37巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 術前診断可能であった重複僧帽弁口狭窄に, 重複僧帽弁交連切開を行った大動脈弁閉鎖不全合併の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 竹村博文, 大平政人, 沢重治, 田中信行, 岩喬*
Authors(kana) :
Organization : 横浜栄共済病院胸部心臓血管外科, *金沢大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 6
Page : 1211-1216
Year/Month : 1989 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 僧帽弁口を2つ有する重複僧帽弁口(Double Mitral Valve:DMV)は, 他の心疾患の合併などにより, 術前診断されることはまれである. 今回われわれは, リウマチ熱の既往のある45歳女性で, 僧帽弁狭窄症を呈した重複僧帽弁口に, 大動脈閉鎖不全症を合併した症例を経験した. 心超音波検査にて, ほぼ同じ大きさの僧帽弁口を認め, ともに狭窄像を呈し, 弁口面積はそれぞれ0.70cm2, 0.71cm2であった. また大動脈造影にて大動脈弁閉鎖不全症の合併を認めた. 心停止下に観察した僧帽弁は, 前後に並んだ2つの弁口を有し, ともに著明に肥厚し, 交連部に癒合を認めた. しかし弁の可動性は保たれているため両弁口に交連切開“いわばdouble-OMC”を施行した. 同時に大動脈弁置換術を行い良好な経過を得た. 本疾患を術前に診断し両弁口に交連切開を行った症例は本邦では第1例目であり, 同時に大動脈弁置換術を施行した症例は文献上世界最初の症例である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 重複僧帽弁口, 僧帽弁狭窄症, 重複僧帽弁交連切開(double-OMC), 大動脈弁閉鎖不全症
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