| Title ： |
収縮期末応力容積関係の臨床応用－慢性大動脈弁閉鎖不全症の術前後の心機能評価－ |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
加瀬川均†, 川副浩平, 藤田毅, 中島伸之, 朴永大*, 山本文雄, 平田隆彦**, 笹木秀幹*** |
| Authors（kana） ： |
|
| Organization ： |
国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター内科, **国立循環器病センター集中治療部, ***国立循環器病センター研究所, †千葉大学医学部第1外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
37 |
| Number ： |
7 |
| Page ： |
1273-1280 |
| Year/Month ： |
1989 / 7 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
単独大動脈弁置換術（AVR）が施行された慢性大動脈弁閉鎖不全症（AR）10例について, Mモード心エコー法を用い, ニトロプロシッド負荷により後負荷を変化させることによって収縮期末応力容積関係（ESSVR）を求め, 術前後の心機能評価を試みた. 4～6点の血圧レベルにおけるMモード心エコー図の測定より収縮期末容積（ESVI）及び収縮期末応力（ESWS）を算出しプロットすると, r＝0.848より0.997のよい直線性が得られた. 各直線の傾きをm, X軸切片をVdとすると, 心筋収縮性を表わすとされているmは術前1.66±0.37に対し術後1カ月の早期には1.92±1.02と有意差はないものの増加傾向を示し, Vdは44.7±32.4から29.4±28.0ml/m2へと有意に減少した（p＜0.01）. 左室収縮率（FS）は術後早期に有意な低下（25.6±8.5より18.9±8.8%；p＜0.01）を示したが, これは前負荷（左室拡張期末径：LVDd）の大きな減少（7.52±1.07より6.04±1.38cm；P＜0.01）によると考えられ, 収縮期末応力容積関係直線の変化から考えて心筋収縮性はこの時間においてむしろ改善傾向にあると考えられた. また容積重量比の指標であるR/Th（radius to wall thickness ratio）によって10例をGroup1（R/Thed＜3.0かつR/Thes＜1.5；n＝5）, GroupII（R/Thed＞3.0かつR/Thes＞1.5；n＝5）にわけると, 術前のm値はそれぞれ1.90±0.37, 1.42±0.19とGroupIで有意に低値でありARでは術前代償性心肥大が不十分な症例において心収縮性が低下していることが示唆された. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
収縮期末応力容積関係, 慢性大動脈弁閉鎖不全症, 心筋収縮性, Emax, radius to wall thickness ratio |
