| Title ： |
腫瘍の広がりと術式別にみた肺癌小範囲切除例の治療成績 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
赤荻栄一, 三井清文, 蘇原泰則, 村山史雄, 森田理一郎*, 石川成美*, 小川功*, 鬼塚正孝**, 中川晴夫***, 堀原一 |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
筑波大学臨床医学系外科, *筑波大学付属病院呼吸器外科, **日立製作所日立総合病院外科, ***日立製作所水戸総合病院外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
37 |
| Number ： |
7 |
| Page ： |
1334-1340 |
| Year/Month ： |
1989 / 7 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
1977年から1987年までの肺癌切除例277例中27例に対し小範囲肺切除が行われた. 27例中肺区域切除例は7例で, 高齢者, 又は低肺機能者に治癒手術を目的として行われた. このうち2例は亜区域支から発生した胸部X線無所見の早期扁平上皮癌で, 残り5例は末梢肺及び末梢気管支発生であり, この5例は腫瘍のリンパ管侵襲を全例に, 血管侵襲を3例に認めた. 再発死が2例あるが, 残る5例は術後1年～6年生存中である. 肺楔状切除例は20例あり, 全例末梢肺, 又は末梢気管支発生であった. このうち根治を目的とした楔状切除例は6例で, リンパ管侵襲を全例に, 血管侵襲を4例に認めた. この6例中1例が転移により死亡し, 2例が他病死したが, 残る3例は術後1年6カ月～3年8カ月生存中である. 進行癌に対し腫瘍の減量を目的として楔状切除した症例は8例で, 補助療法を行った小細胞癌の3例が術後2年未満ながら生存中であるが, その他は2年6カ月以内に全例癌死した. 肺底転移を認めたため原発巣と転移巣を楔状切除した症例は6例で, 術後1年6カ月生存中の1例があるが, 他は2年6カ月以内に全例転移により死亡した. 低心肺機能例に対する肺癌根治を目的とした小範囲切除は, リンパ節転移のない末梢型肺癌に適応があり, リンパ節郭清を行う肺区域切除を施行することが望ましい. 特に胸部X線無所見の早期扁平上皮癌で, 亜区域支またはそれよりも末梢気管支発生例はその最もよい適応であろう. 腫瘍の減量をめざして小範囲切除を行った進行肺癌の長期予後は不良であった. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
肺癌, 胸部X線無所見早期肺癌, 根治的小範囲肺切除, 肺癌縮小手術, 肺癌減量手術 |
