アブストラクト(37巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性僧帽弁狭窄症に対する自家肺動脈弁による僧帽弁置換術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 石原和明, 中江世明*, 福地晋治, 澤渡和男, 山岸正明, 今井康晴
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学日本心臓血圧研究所循環器小児外科, *北里大学医学部胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 7
Page : 1381-1385
Year/Month : 1989 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 乳児期に発生する先天性僧帽弁狭窄症は腱索, 乳頭筋の異常を伴うため交連切開術では僧帽弁狭窄の解除は困難であり, 逆に僧帽弁閉鎖不全が発生することもあるので人工弁置換術の適応である. しかし, 現在では狭小な弁輪を有する僧帽弁狭窄症に対する僧帽弁置換術は弁輪拡大が解剖学的理由により不可能であり, 更に移植可能なサイズである人工弁はない. そこでわれわれは本症の乳児に対して自家肺動脈弁を用いて僧帽弁置換術を行い, 三弁付き異種心膜導管により肺動脈を再建した. 術後の断層心エコー図では移植された肺動脈弁の開閉は良好であり, 僧帽弁血流速度も低下し僧帽弁狭窄は解除された. しかし, 長時間に及ぶ体外循環時間の影響や術後も存続した肺高血症のために術後第7病日に死亡した. このような術式の報告は本邦では初めてなのでその適応, 術式の改良などについて文献的考察を加え報告する. 乳児期から発症する先天性僧帽弁狭窄症(以下MS)は僧帽弁腱索がなく乳頭筋が直接弁尖に付着するため僧帽弁交連切開術より人工弁置換術が適応となることが多い.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性僧帽弁狭窄症, 自家肺動脈弁, 僧帽弁置換術
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