アブストラクト(37巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 成人の特発性乳糜胸の1例と本邦報告例の検討
Subtitle : 症例
Authors : 山口時雄, 宮川周二, 黒田修, 井原勝彦, 高尾哲人*
Authors(kana) :
Organization : 社会保険紀南綜合病院心臓血管外科, *社会保険紀南綜合病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 7
Page : 1400-1405
Year/Month : 1989 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 成人の原因不明の乳糜胸(いわゆる特発性乳糜胸)の1手術例を経験した. 症例は30歳, 女性で, 胸部X線上の異常陰影を指摘されて受診した. 胸腔穿刺液にて乳糜胸と判明後, 原因精査を進めると共に, 絶食, 経中心静脈栄養, 胸腔穿刺, 胸腔持続ドレナージと計10週間保存的療法を施行したが軽快しなかった. 最終的に開胸手術により乳糜の漏出部位を縫合閉鎖し治癒せしめた. 3年後の現在再発の兆候は認めない. 本症例は, 術前のCT, リンパ管造影などの所見からも原因を確定し得なかった. また開胸時に精査したが, その原因を確定しえず, 特発性乳糜胸の1症例と考えた. 本邦においては, 成人の特発性乳糜胸症例の報告は自験例を含め14例を検索し得るのみでありまれな疾患と考えられる. 成人の特発性乳糜胸症例を集計し考察を加えて報告した. 乳糜胸は, 乳糜の胸腔内貯留に由来する病態の総称である. その原因疾患は, 外傷, 悪性腫瘍, 炎症など多岐にわたっている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 特発性乳糜胸, 成人例
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