アブストラクト(37巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 巨大な胃壁内転移をもった食道mm癌の1例
Subtitle : 症例
Authors : 吉田一成, 井手博子, 村田洋子, 小林中, 羽生富士夫, 山田明義*
Authors(kana) :
Organization : 東京女子医科大学消化器外科, *東京女子医科大学消化器放射線科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 7
Page : 1430-1435
Year/Month : 1989 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 食道表在癌のうちmm癌の脈管侵襲の頻度はsm癌に比べ低率でその予後は一般に極めて良好であるとされている. 最近われわれは, 巨大な胃壁内転移を有した食道mm癌の1手術例を経験した. 64歳, 男性. 1カ月前からの嚥下困難, 体重減少を主訴に診断された下部食道のびらん型表在癌で, 噴門部に巨大な壁内転移巣を合併した. 切除標本組織診断では下部食道IIc病変の大きさは2.0×1.6cm, 深達度mm癌, ly(+), v(-), n3(+)で胃噴門部に壁内転移巣(7.0×5.0cm)を認めた. 左開胸開腹にて胸部食道全摘胃部分切除を行った. 術中横隔膜面にも播種性転移巣を認め, 進行度IV度で, 姑息切除に終わった. 自験例のmm癌19例のうちly(+)16%, n(+)16%であった. 壁内転移の頻度は, 自験例の検討ではsm~a3では何れも10%前後であったが, mm癌では5%であった. これはsm以上のly(+)の頻度が70%以上みられることからの差と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道粘膜癌, 壁内転移, 脈管侵襲
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