アブストラクト(37巻7号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 動脈硬化性左鎖骨下動脈瘤食道内破裂の1治験例-本邦89例の検討- |
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Subtitle : | 症例 |
Authors : | 渡辺敦, 道井洋吏, 菊地誠哉, 山口保, 大野猛三, 夷岡迪彦 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 道立北見病院外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 7 |
Page : | 1441-1445 |
Year/Month : | 1989 / 7 |
Article : | 報告 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 症例は61歳・男性で, 発熱・呼吸困難・嚥下困難を主訴に入院し, 胸部X線,選択的左鎖骨下動脈造影, 及び胸部CTにて左鎖骨下動脈瘤と診断された. 患者は手術待機中に大量吐血し, 動脈瘤の食道内破裂が疑われ, 緊急手術が行われた. 手術は, 胸骨正中切開に左襟状切開を加え動脈瘤に到達した. 周囲組織と癒着の強い動脈瘤を切除せず, 動脈瘤の近位及び遠位を閉鎖し, 人工血管にて大動脈弓部より左鎖骨動脈をバイパスする, 瘤空置血行再建術を行い良好な結果を得たので報告する. 末梢動脈瘤の中で, 鎖骨下動脈瘤は比較的まれな疾患である. その病因として, 動脈硬化・外傷・非特異的炎症・胸郭出口症候群などが報告されているが, 他の動脈瘤に比し動脈硬化性動脈瘤の比率が少ないこと, 胸郭出口症候群の比率が多いことが特徴である. また, 文献的に調べ得た本邦89例の報告を見ると破裂例は15例であり, そのうち食道内破裂症例の報告はない. 末梢動脈瘤の中で鎖骨下動脈瘤は比較的まれな疾患であるが, 近年, 診断技術の向上, 並びに生活様式の変化などにより増加傾向にある. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 鎖骨下動脈瘤, 動脈硬化, 食道内破裂, 選択的鎖骨下動脈造影, 瘤空置血行再建術 |