アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 僧帽弁置換術症例の血中CK-BB値の変動-血中CK-MB値, CK-MM値と対比して- |
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Subtitle : | 原著 |
Authors : | 碓氷章彦, 阿部稔雄, 村瀬允也, 田中稔, 竹内栄二, 加藤兼房* |
Authors(kana) : | |
Organization : | 名古屋大学医学部胸部外科, *愛知県コロニー研究所生化学 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 8 |
Page : | 1481-1485 |
Year/Month : | 1989 / 8 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 高感度のenzyme immunoassay法を用い, 開心術中の血中, 尿中CK-BB値を測定した. 対象は僧帽弁置換術18例で, 対照群として胸骨正中切開非開心術7例を用いた. また, 冠状静脈血値と末梢動脈血値との差を求め, 心筋からの酵素の逸脱量を推定した. CK-BB血中値は, 麻酔導入時0.64±0.32ng/mlで, 遮断解除後に急増し, 解除2時間後に23.3±7.56ng/mlの最高値を示し, 以後減少した. この血中CK-BB値の変動は, 血中CK-MB値, CK-MM値の変動に対し鋭敏であった. 対照群では, 血中CK-BB値は有意の上昇を示さなかった. CK-BBの冠状静脈血値は大動脈遮断解除後早期に末梢動脈血値よりも有意に高値を示し, 血中CK-BB値の上昇は心筋からの逸脱酵素によると推定された. 開心術中の血中CK-BB値は微量であるが, CK-MB, CK-MM血中値に比して反応が鋭敏であり, また, 脳障害時にも上昇すると報告されているので, 心臓手術時の有用性の高い血中マーカーと考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | Creatine kinase isozyme, 心筋保護, 開心術, 心臓弁膜症 |