アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 総肺静脈還流異常症の緊急再手術の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 塩野則次, 高梨吉則, 吉原克則, 松裏裕行*, 松尾準雄*, 佐藤秀郎**
Authors(kana) :
Organization : 東邦大学胸部心臓血管外科, *東邦大学小児科, **筑波大学臨床医学系小児科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 8
Page : 1537-1542
Year/Month : 1989 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 生後5カ月で根治手術を施行した総肺静脈還流異常症(Darling分類IIa)が, 術後2カ月頃より肺静脈閉塞を来し, 術後4カ月目に緊急再手術を施行した. 肺静脈閉塞の原因は, 初回手術時心内修復に用いた自家心膜パッチが肥厚して冠状静脈洞と左房間で高度の狭窄状態を形成していたためであった. 再手術は肥厚した自家心膜パッチを切除し, Cut-backを大きく追加し狭窄を解除し, グルタールアルデヒド処理馬心膜(Xenomedica)を用いて心房中隔形成術を行った. 術後経過は良好であった. 自家心膜パッチの肥厚の原因には, 血行動態が最も関与していると考えられるが, 『成長』が影響を与えている可能性もあり慎重な長期観察が必要であろう. 総肺静脈還流異常症(以下TAPVCとする)は, 新生児, 乳児期早期に外科的治療を必要とする心疾患である1). その予後は比較的良好とされるが, 術後に肺静脈閉塞(以下PVOとする)を来すと極めて重篤であることが報告されている2)~8).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 総肺静脈還流異常症, 肺静脈閉塞, 自家心膜パッチ, 再手術
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