アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心房中隔欠損症を伴わない部分肺静脈還流異常症の体外循環を用いない1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 日置正文, 宇都宮英敏, 武井裕, 家所良夫, 田中茂夫, 庄司祐
Authors(kana) :
Organization : 日本医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 8
Page : 1549-1553
Year/Month : 1989 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心房中隔欠損症を伴わない部分肺静脈還流異常症は, 比較的まれな疾患で心房中隔欠損症に類似する症状のため開心術時に確認されることが少なくない. 外科治療法としては体外循環下に施行する種々の術式が報告されている. 今回われわれは, 右上肺静脈が上大静脈に還流する本疾患に対して, 体外循環を用いず右開胸下に異常静脈を上大静脈から切離し, 直径8mmのスパイラル・リング附きのPTFEグラフトを切離静脈と左心房間にinterpositionし静脈路の再建を行った. 術後は合併症もなく経過良好で2週間で退院した. 3カ月後のRIアンギオではグラフトは開存し, 肺鬱血はなく術後12カ月現在元気に通学している. 本術式は体外循環を用いないため手術侵襲が少なく, 症例を選択すれば利点のある術式と考え若干の文献的考察を加え報告した. 部分肺静脈還流異常症(以下PAPVC)は高率にASDを合併するが, 10%位に心房中隔に異常のない, いわゆるintact atrial septum(以下IAS)のPAPVCが報告されている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 部分肺静脈還流異常症, intact atrial septum, 無体外循環, E-PTFE
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