アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 特発性大動脈破裂
Subtitle : 症例
Authors : 安田慶秀, 佐久間まこと, 湊屋洋一, 田辺達三, 松浦正盛, 横田旻
Authors(kana) :
Organization : 北海道大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 8
Page : 1554-1557
Year/Month : 1989 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 特発性胸部大動脈破裂はまれであるが, その1手術治験例を報告すると共に若干の文献的考察を加えた. 症例は65歳女性で, 突然の左胸部重苦感と出血性ショックで来院し, CT検査で左血胸があったが, 大動脈瘤や解離を疑わせる所見はなかった. 手術は大腿動・静脈, 送・脱血による部分体外循環下に左開胸を行い, 下行大動脈の破裂穿孔部をプレジェット付き縫合糸を用いて直接縫合閉鎖した. 本症は大動脈瘤がないにもかかわらず突発的に大動脈が破裂するまれな疾患であり, 文献上7例が報告されているに過ぎない. 術前の確定診断は困難なことが多いが救命のためには手術が必要であり, 大動脈からの出血が疑われる場合は動脈瘤や解離の所見が得られなくても積極的に手術を行うべきである. 本症例は, 文献上, 本邦初の報告例である. 大動脈病変を伴わず突発的に大動脈破裂を来す特発性大動脈破裂は極めてまれな疾患である. 本症についての報告は少なく欧米文献で6例が報告されているが, 本邦においてはまだ報告がない1)~5).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 特発性大動脈破裂, 粥腫, 緊急手術
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