アブストラクト(37巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 右心室血管腫の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 松谷隆啓*, 中西浩之**, 江原和男, 高橋俊二郎, 中川準平, 石合省三
Authors(kana) :
Organization : 香川県立中央病院外科, *南陽病院外科, **呉共済病院胸部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 8
Page : 1570-1576
Year/Month : 1989 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心臓血管腫は極めてまれな疾患である. 私達は右心室心筋より発生した血管腫の症例に対して腫瘍摘出術を施行し治癒せしめた. 症例は62歳の男性で, 心不全徴候と思われる臨床症状を呈していた. 心臓超音波検査にて, 右室自由壁より内腔及び壁外に突出した腫瘤を認めた. 右冠動脈造影では流入血管及び腫瘤に一致する豊富な血管像が描出された. 完全体外循環下に腫瘤を完全摘出し, 右室自由壁欠損部はゴアテックス膜を約7.5×5.5cmのパッチとして用い閉鎖した. 摘出した腫瘤の大きさ10.0×9.5×3.4cm, 重さ170gで, 病理組織学的検査にて混合型血管腫と診断した. 術後経過は良好で, 現在快適な日常生活を送っている. 心臓原発腫瘍の発生は少なく, 中でも血管腫の発生は極めてまれである. 本邦では, 血管腫は私達がこれまでに検索した限り, 心膜・心外膜発生例の報告は幾つかみられるが, 心筋発生例の報告はない. 私達は手術にて摘出できた右心室心筋内原発性血管腫の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 原発性心臓腫瘍, 血管腫
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