Abstract : |
異型右鎖骨下動脈, 又はその左右対称形である異型左鎖骨下動脈及び右側大動脈弓を合併した乳幼児の, 体肺動脈短絡手術症例3例及びsubclavian flap aortoplasty症例2例において, 異型鎖骨下動脈を切断し血管輪を解除すると共に, これを短絡手術における有茎グラフト, あるいは大動脈形成術におけるreversed subclavian flapとして用い, 良好な結果を得た. 短絡手術ではexpanded polytetrafluoroethylene(EPTFE)graftを用いたmodified Blalock-Taussig手術などに比し, 患児の成長に伴いグラフトの発育が期待できる点で有利である. reversed subclavian flapとして用いた場合, 弓部低形成のある症例では, 縮窄部を越えて低形成弓部にまでフラップをあてることができる点で有利である. 10%の頻度で発生するといわれるDisphagia lusoriaを予防するために, 異型鎖骨下動脈を切断し, 他側の鎖骨下動脈を手術に用いることは, 両側の椎骨動脈の血流が消失するため避けるべきと思われる. |