アブストラクト（37巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | ハイリスク高齢者の緊急A-Cバイパス術－高度低左室機能の1例－ |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 野村文一, 平田展章, 榊原哲夫, 中埜粛*, 川島康生* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪警察病院心臓センター外科, *大阪大学医学部第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 37 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1625-1629 |
| Year/Month ： | 1989 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 手術症例の高齢化に伴い, 単に高齢と言うだけでなくハイリスクな高齢者に対する開心術が要求されている. われわれは著明な低左室機能を呈した切迫心筋梗塞の高齢者に緊急A-Cバイパス術を施行し救命し得たのでその術後問題点を含め報告する. 症例は72歳女性, 糖尿病, 陳旧性脳梗塞を既往歴とし, 陳旧性下壁梗塞, 前壁梗塞の後, 狭心痛のため当院心臓センターに入院した. 心臓カテーテル検査の結果, 左冠動脈主幹部狭窄を含め高度三枝病変であり, 左室造影上駆出率は14%と著明な左室機能低下を示した. 狭心痛の重積発作及び左心不全を発症し, 切迫心筋梗塞の診断のもとIABP挿入下にLAD, LCX, RCAに緊急A-Cバイパス術を施行された. 術後血行動態は安定していたが, 多源性心室性不整脈が頻発し, 心室細動を発症したが, 蘇生に成功した. その後の経過は比較的順調で, 術後2年の現在元気に外来通院中である. A-Cバイパス術の手術成績が向上するにつれ, 高齢者に対しても積極的に手術が行われるようになっている1)～3). |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 高齢者, A-Cバイパス術, 高度低左室機能, 心室性不整脈 |
