アブストラクト(37巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 呼吸器外科手術操作に関連した特異な合併症についての検討
Subtitle : 原著
Authors : 大野喜代志*, 中原数也, 橋本純平, 松村晃秀, 水田隆俊, 明石章則, 中川勝裕, 武田伸一, 南正人, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科, *兵庫医科大学胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 10
Page : 2161-2165
Year/Month : 1989 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 過去9年間に, 呼吸器外科手術によって乳糜胸6例, 脊髄液漏及び対麻痺の各1例を経験した. 乳糜胸は悪性腫瘍に対する縦隔リンパ節郭清が原因であった. 左側5例, 右側1例であった. 保存的に治療した2例では, 乳糜は減少せず脳梗塞と敗血症で死亡した. 手術を行った4例中, 術前にズダンIII混合牛乳を飲用させた3例では, 術中胸管損傷部を確認し得た. 肺切除後乳糜胸では, 胸腔内に死腔が残るため, 保存的治療は無効であることが多い. 脊髄液漏は, 肺癌が直接浸潤していた第5肋椎関節部から生じ, 圧迫で停止したので放置した. 術後経過は順調であったが, 術後胸腔内は陰圧になることと, 髄膜炎発生の危険性から漏出部を修復すべきであった. 対麻痺は第5肋椎関節からの出血に対してオキシセル綿を充填した際に, 椎間孔を通り硬膜外腔へ進入したために生じた. 水分を吸収して膨化するオキシセル綿の, 神経周囲での使用は, 慎むべきである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 呼吸器外科手術, 乳糜胸, 脊髄液漏, 対麻痺, オキシセル
このページの一番上へ