アブストラクト(37巻10号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 三尖弁のリウマチ性器質的病変に対する手術手技の選択に関する検討 |
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Subtitle : | 原著 |
Authors : | 藤井尚文*, 川副浩平, 小坂井嘉夫, 小原邦義, 鬼頭義次, 藤田毅 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 国立循環器病センター心臓外科, *長野赤十字病院心臓血管外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 10 |
Page : | 2187-2192 |
Year/Month : | 1989 / 10 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 三尖弁にリウマチ性器質的病変を有し手術手技を加えた27例の自験例を検討し, 手術手技の選択について知見を得た. 異種生体弁による三尖弁置換術(TVR)を7例に, 三尖弁形成術(TVP)を20例に施行した. 術後平均観察期間は, TVRが1年6カ月, TVPが4年6カ月であった. 手術死亡はTVP症例ではみられなかったがTVR症例で2例みられた. なお, 遠隔期死亡はみられなかった. TVP症例20例中7例に, 術後早期の超音波血流検査(DCG)による評価で3/4度のTRが残存した. また, TVP症例中7例で, 経過観察期間中TRの増強がみられ, うち3例にTVRを施行した. TVPの経過観察中3/4度以上のTRを呈した症例は11例であり, この11例は全例, 術前3/4度以上のTRを有していた. 一方, TVRは経過観察期間が短いが, 現在まで, 重大な合併症の発生はなく, 予後は良好であった. 以上から, 術前3/4度以上のTRを有する三尖弁のリウマチ性器質的病変に対しては, 注意深い経過観察のもとに, TVRの適応を拡大しても良いと思われた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 三尖弁, リウマチ性器質的病変, 三尖弁残存逆流, 三尖弁形成術, 三尖弁置換術 |