アブストラクト（37巻10号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 肺摘除術後食道胸腔瘻に対する有茎大網充填, 胸郭成形術による1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 山口明, 諸久永, 飯塚亮, 菅原正明, 広野達彦*, 宮下薫** |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 国立療養所西新潟病院外科, *新潟大学第2外科, **新潟大学第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 37 |
| Number ： | 10 |
| Page ： | 2202-2206 |
| Year/Month ： | 1989 / 10 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 肺摘除後の食道胸腔瘻は極めてまれなものであるが, 大多数が膿胸を合併しており, 治療の困難な疾患である. 左肺摘除の1年9カ月後に食道胸腔瘻を生じた69歳, 男性の肺癌術後患者に対し, 食道瘻閉鎖, 有茎大網充填, 並びに, 胸郭成形術による一期的手術を行い良好な結果を得た. 本症に対する有茎大網充填と胸郭成形術の応用は, 著者らが1988年8月迄に調べ得た限りでは, 本症例が最初であり, 有用な方法と思われるので報告した. 肺摘除後食道胸腔瘻は, 非常にまれではあるが, 膿胸, 食事摂取不能による全身衰弱を伴い, 死亡率の高い難治性の疾患である. 本疾患の治療の本質は, 感染した脆弱な食道瘻と広い死腔を伴う膿胸の2つの疾患を同時に治癒せしめる点にあると言えよう. 以上の観点から, 食道瘻に対しては瘻の閉鎖と肋間筋による被覆, また, 膿胸に対しては胸郭成形術による死腔の閉鎖, の2つの組み合わせが手術侵襲の大きさからも妥当な術式と考えられる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 肺摘除後食道胸腔瘻, 膿胸, 有茎大網充填, 胸郭成形術 |
