アブストラクト(37巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Sjogren症候群をはじめ多彩な自己免疫疾患を有する狭心症々例に対する冠動脈バイパス手術の経験
Subtitle : 症例
Authors : 栗栖和宏, 松井完治, 中島淳博, 河野博之, 梶山憲治*, 福山尚哉**
Authors(kana) :
Organization : 松山赤十字病院心臓血管外科, *松山赤十字病院内科, **松山赤十字病院循環器内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 10
Page : 2207-2211
Year/Month : 1989 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 膠原病における冠動脈病変の合併は少なく, 冠動脈バイパス手術の報告は極めてまれであり, 特にSjogren症候群での報告例はいまだみられない. 今回われわれはSjogren症候群をはじめ多彩な自己免疫疾患を有する狭心症々例に対し, 冠動脈バイパス手術を施行したので報告する. 症例は68歳, 女性で, 15年前に甲状腺機能低下症, 4年前にSjogren症候群, 血小板減少症, ルポイド肝炎と診断され, ステロイド剤, 甲状腺ホルモン剤を内服中であった. 昭和62年8月両薬剤の増量後, 労作性狭心痛が出現した. 精査の結果, 前下行枝(Seg.6, 99%狭窄), 右冠動脈(Seg.2, 75%狭窄)に有意な狭窄病変を有する不安定狭心症の診断が確定し, 大伏在静脈を用いて, 二枝冠動脈バイパス手術を施行した. 術後の静脈グラフトの開存は良好で, 狭心症々状は消失した. 本症例の外科治療上, 多彩な自己免疫疾患に対する手術前後の慎重な対応が特に重要であった.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Sjogren症候群, 血小板減少症, 甲状腺機能低下症, 自己免疫疾患, 冠動脈バイパス手術
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