アブストラクト（37巻10号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 急性肺塞栓症の外科的治療経験 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 数野博, 前田肇, 今脇節朗, 有岡一郎, 吉鷹秀範, 田中聰 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 香川医科大学第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 37 |
| Number ： | 10 |
| Page ： | 2212-2216 |
| Year/Month ： | 1989 / 10 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 急性肺塞栓症は, 迅速な診断と治療を必要とするが, 内科的治療の効果判定と手術適応の決定は容易ではない. われわれは内科治療の経過中, 重篤な循環不全に陥った2例の本症患者に緊急手術を施行し, 塞栓摘除が有効であった1例を救命した. 本症が疑われた場合には, 診断と手術適応決定のためにまず肺動脈造影を行う必要があり, 主要肺動脈に閉塞があれば塞栓摘除術の適応とするべきであると思われた. 内科的治療の効果判定には臨床所見のみならず肺動脈圧が重要であり, 改善が見られない場合には手術を急がなければならない. また経過中の重篤な循環不全に備えて, いつでも体外循環を施行できる体制が必要である. 急性肺塞栓症は, 疾患に対する認識と診断技術や救急医療体制の充実に伴って近年治療の対象となる機会が増加しつつあり1), その治療成績もヘパリンと大量ウロキナーゼによる内科的治療法の進歩により向上した2)3). しかし, 重症例は短時間で右心不全を来して心停止へと移行し, 発症後1時間以内に大部分の症例が死に至るため4), 外科的治療の対象となるものはまれと思われる. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 急性肺塞栓症, 塞栓摘除術, 肺動脈造影, 肺高血圧症 |
