アブストラクト(37巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 外傷性弁尖裂傷による孤立性三尖弁閉鎖不全症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 村田眞司, 小林彰
Authors(kana) :
Organization : 三菱京都病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 10
Page : 2217-2222
Year/Month : 1989 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 非穿通性外傷による孤立性三尖弁閉鎖不全症の1例を経験した. 本症例は弁閉鎖不全を惹起した原因が, 弁尖の裂傷で, 現在まで国内報告例がない極めてまれなタイプのものである. 症例は, 26歳の男性で, バイクを運転走行中, 大型ダンプと衝突し, 全身打撲で1カ月半入院した. その間, 心拡大を指摘されたが呼吸苦など自覚症状なく退院した. しかし以後, 動悸, 息切れ及び肝腫大と食欲不振を伴う右心不全にて2年間に2回の入院を繰り返し, 内科的治療に抵抗したため, 本院に紹介され, 受傷3年4カ月後に手術を施行した. 開心時, 三尖弁前尖は弁輪に平行に約3cmにわたり, 弁輪より5mmのところで裂けており, SJM M-31を用い弁置換した. 術後経過は順調である. 外傷性三尖弁閉鎖不全症について, 文献的考察を加え検討した. 近年わが国において, 交通事故や労働災害による非穿通性外傷性心臓損傷の報告が散見されるようになって来たが, いまだ少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非穿通性心臓外傷, 外傷性弁尖裂傷, 三尖弁閉鎖不全症, 三尖弁置換術
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