アブストラクト(37巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 重症筋無力症を伴った小型胸腺脂肪腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 平井隆, 伊藤元彦, 安倍隆二
Authors(kana) :
Organization : 国立療養所宇多野病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 10
Page : 2229-2232
Year/Month : 1989 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 40歳, 女性の重症筋無力症(以下MG)(Osserman IIB)症例に対して, 胸腺摘除術を行ったところ, たまたま胸腺内に2×1×0.5cmという小型の胸腺脂肪腫の見出された症例を経験した. 組織像では, 成熟脂肪細胞が結節状に増殖して胸腺組織を周辺部に圧排している像が認められ, 本例では“lipoma of the thymus”という表現が最も適当と考えられた. 胸腺脂肪腫は, 胸腺の腫瘍の2~9%を占めるまれな腫瘍とされ, ましてMGを合併する症例は, 極めてまれである. 本症例は正式の報告としては世界で6例目であり, これまでの胸腺脂肪腫の報告例の中で最も小さいものである. MGとして胸腺摘除を行った症例を肉眼的及び病理学的に詳細に検討すれば, 胸腺脂肪腫がもっと多く見出されるのではないかと考えられる. 胸腺脂肪腫は, 胸腺の腫瘍の2~9%を占めるまれな腫瘍とされ1)2), まして重症筋無力症(MG)を伴う症例は, 極めてまれである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 胸腺脂肪腫, 重症筋無力症, lipoma of the thymus
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