アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)
Title : | 心肺同時移植後の心筋拒絶反応についての組織学的考察(I) |
---|---|
Subtitle : | 原著 |
Authors : | 八田光弘, 黒澤博身*, 小出昌秋, 小柳仁 |
Authors(kana) : | |
Organization : | 東京女子医科大学心臓血圧研究所循環器外科, *東京女子医科大学心臓血圧研究所循環器小児外科 |
Journal : | 日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : | 37 |
Number : | 11 |
Page : | 2250-2255 |
Year/Month : | 1989 / 11 |
Article : | 原著 |
Publisher : | 日本胸部外科学会 |
Abstract : | 心肺移植後の拒絶反応の診断には, 心筋生検法による病理学的な診断が不可欠である. 今回われわれは, ラットによる異所性心肺移植モデルを用いて, 移植心の拒絶反応の進行を病理組織所見を中心に解析した. 20組の移植心は, A群(移植後1日目), B群(移植後4日目), C群(移植後7日目), D群(移植後12日目)のそれぞれの時期に摘出された. 各群で摘出した心筋標本を, 1.血管及びその周囲の病変, 2.間質の病変, 3.心筋細胞の病変の3つの指標について検討した. 血管壁は, 移植後4日目に著明に肥厚し, 7日目には著明なリンパ球浸潤により, 周囲の心筋組織が壊死に陥る. 一方, 間質での変化は, 移植後4日目に, 巣状のリンパ球の浸潤を認め, 7日目には著明な心筋壊死を伴う広範囲のリンパ球浸潤が認められる. 心筋病変は, 間質病変と非常に良く相関し, 7日目より心筋細胞の巣状の壊死, 大小不同, などの所見を示し, これらの変化は12日目にはさらに進行していた. これらの指標による評価は心筋拒絶反応の一連の過程を把握する上で非常に有用であると考えられた. |
Practice : | 臨床医学:外科系 |
Keywords : | 心臓移植, 心筋拒絶反応, 心肺移植 |