アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 僧帽弁人工弁置換術後退院目前に突然の縦隔出血を来したSLE合併の1症例
Subtitle : 症例
Authors : 西村元延, 平中俊行, 黒田修, 小林順二郎, 大西健二
Authors(kana) :
Organization : 大阪府立病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2371-2377
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 全身性エリテマトーデス(以下SLE)は, 代表的な自己免疫疾患であるが, その主な死因の1つとして出血が挙げられている. われわれは僧帽弁置換術後3週間目に突然の縦隔出血を来した1例を経験したので報告する. 患者は42歳の女性で, 10歳頃より僧帽弁膜症を指摘され, 18歳時に閉鎖式交連切開術を, 32歳時に直視下交連切開術を施行された. 8年前にSLEの診断を受け, 以来, 副腎皮質ホルモンを投与されていた. 僧帽弁の再狭窄に対して僧帽弁置換術を施行し経過良好であったが, 術後21日に突然の縦隔出血のため心不全となり, 2度の開胸止血術の後, 全身感染症のため死亡した. 血管炎によるとされるSLEの出血は脳, 消化管に多く, その他の部位へはまれである. しかし, SLE合併症例の場合, いかなる部位へも出血する可能性があることを念頭におく必要があり, また抗凝固療法を施行する際にも十分な注意が必要であると考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : SLE, 人工弁置換術, 合併症, 縦隔出血, 抗凝固療法
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