アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 超音波手術器による石灰除去が有効であった弁輪狭小を伴う石灰化大動脈弁狭窄症の1例
Subtitle : 症例
Authors : 松井道彦, 佐々木達海, 森田紀代造, 望月吉彦, 矢田雄滋, 新井達太
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2382-2386
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 石灰化を伴う大動脈弁狭窄症の外科治療は, 一般的に人工弁置換術が選択されている. 最近, 超音波による石灰除去によって弁尖の可動性を回復させ大動脈弁狭窄を解除することが試みられている. 弁輪狭小と石灰化を伴った大動脈弁狭窄症(二尖弁)の47歳女性に対し, 超音波手術器(アロカ社製SUS-201D)を用いて石灰除去を行った. 出力25~45%で石灰を徐々に破砕・吸引すると, 弁尖の可動性は回復し, 交連切開を加えることにより, 7mm径の弁口は18mm径に拡大し, 術前100mmHgの収縮期圧較差は術後20mmHgへと改善した. 超音波による石灰除去は, 少々時間を要するが, 弁尖の可動性を回復し自己弁を温存したままで狭窄を解除できる点で, 極めて有効な術式だと考える. 成人の大動脈弁狭窄症の病因について, 従来はリウマチ熱によるものが圧倒的に多いといわれてきた1). しかし最近ではリウマチ熱によるものは急速に減少し, 代わって二尖弁あるいはそのほかの先天異常に伴って生じた石灰化による狭窄が多くなっている2)3).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 超音波手術器, 大動脈弁狭窄症, 石灰化, 二尖弁, decalcification
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