アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 大動脈二尖弁に合併した限局性大動脈解離の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 窪山泉, 瀬瀬顕, 神田好雄, 上野安孝
Authors(kana) :
Organization : 九州厚生年金病院心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2398-2401
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 欧米では大動脈二尖弁は大動脈解離の一危険因子として認識されているが, 本邦では両者の合併例の報告はない. われわれは, 大動脈閉鎖不全をも併発していた大動脈解離と大動脈二尖弁の合併例に対し, 外科治療を行い良好な結果を得た. 術中所見では, バルサルバ洞上縁に横走する限局性の大動脈解離があり, 交連部の下垂により, 大動脈閉鎖不全が引き起こされていた. 大動脈二尖弁の弁尖自体の変性は見られなかったために, 大動脈弁の吊り上げ術と上行大動脈の人工血管置換術を施行した. 大動脈解離の発生原因として, 高血圧や動脈硬化, 嚢状中膜壊死, Marfan症候群, Turner症候群, Ehler-Danlos症候群, 大動脈縮窄症, 妊娠等, 多数の因子が知られている. 1927年にAbbottが大動脈二尖弁と大動脈解離の合併例を発表して以来, 欧米では多数例が追加報告されている1). 大動脈解離の症例の9%に大動脈二尖弁を認め1)2), 現在大動脈二尖弁は大動脈解離発症の独立した危険因子の一つと考えられている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈解離, 大動脈二尖弁, 大動脈弁吊り上げ術, 嚢状中膜壊死, 大動脈内膜剥離
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