アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 新生児, 乳児期早期の心臓手術後縦隔炎に対するポビドンヨード溶液を用いた閉鎖性持続洗浄療法の経験
Subtitle : 症例
Authors : 飯尾雅彦, 宮本勝彦, 大竹重彰, 赤城治彦, 北村征治*, 稲垣喜三*
Authors(kana) :
Organization : 大阪市立小児保健センター心臓外科, *大阪市立小児保健センター麻酔科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2402-2406
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 心臓手術後の縦隔炎に対する閉鎖性持続洗浄療法の有効性を示す報告は幾つかみられるが, 新生児・乳児期早期での本法の報告はいまだみられず, その有効性についても明らかでない. 当科では胸骨正中切開による心臓手術344例中2例(0.6%)に術後縦隔炎がみられ, 0.5%ポビドンヨード溶液を用いた本法を施行し治癒しえた. 症例1は生後2カ月の女児で, 大動脈弓離断症に対する二期的根治術後16日目に胸骨移開と膿汁様分泌物排出を認めた. 症例2は生後9日の女児で, 重症肺動脈弁狭窄症に対するBrock手術後3日目に胸骨移開と膿汁分泌を認めた. 両者ともDebridementを行った後, 症例1では20日間, 症例2では5日間, 本法を行い治癒しえた. 症例2では本法施行中, 血中ヨード値が7,610μg/dlまで増加したが甲状腺機能, 及び酸塩基平衡に異常は認められなかった. 本法の新生児, 乳児期早期における有効性が示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 縦隔炎, 閉鎖性持続洗浄療法, 新生児, 乳児
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