アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 三心房症を合併したRaghib症候群(左上大静脈左房還流, 冠状静脈洞欠損, 心房中隔欠損)の1成人治験例
Subtitle : 症例
Authors : 藤村嘉彦, 加藤智栄, 小泉誠二
Authors(kana) :
Organization : 八戸市立市民病院心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2417-2421
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 三心房症を合併したRaghib症候群の1成人例(27歳, 男性)を経験した. Raghib症候群は左上大静脈左房還流, 冠状静脈洞欠損, 心房中隔欠損を三徴とするまれな心奇形である. 左上大静脈左房還流は, 右-左短絡により脳膿瘍などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため, 右心房への血流転換術が必要である. また, 三心房症は異常隔壁により右房ないし左房が二分されるまれな疾患であるが, 術前または術中に見逃さなければ, 手術成績は良好である. 本症例のように, この2つの心奇形の合併症は, われわれの検索した限りでは今までに報告例はなく極めてまれと思われる. 三心房症は, 1868年にChurch1)により始めて報告された比較的まれな疾患で, これを見逃すと術後重篤な状態に陥る事がある. また, Raghib症候群は, 左上大静脈左房還流, 冠状静脈洞欠損, 心房中隔欠損を三徴とする症候群として1965年にRaghibら2)が報告したまれな疾患である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Raghib症候群, 三心房症, 左上大静脈左房還流, 冠状静脈洞欠損
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