Title : |
肺静脈-左房直接吻合によるScimitar症候群の1治験例 |
Subtitle : |
症例 |
Authors : |
西川育志*, 山口眞弘, 細川裕平*, 大橋秀隆, 大嶋義博 |
Authors(kana) : |
|
Organization : |
兵庫県立こども病院心臓血管胸部外科, *神戸大学医学部第2外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
37 |
Number : |
11 |
Page : |
2429-2433 |
Year/Month : |
1989 / 11 |
Article : |
報告 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
Scimitar症候群に対する外科治療として現在種々の術式が行われ, その適応の選択が論じられている. 著者らは労作時呼吸困難及び発育遅延を呈した8歳男児の本症に対して最近では報告の少ない肺静脈-左房直接吻合による根治術を行い良好な結果が得られた1症例を経験した. 術前血管造影でScimitar veinは横隔膜を貫き肝静脈の下方で下大静脈に還流していた. 手術は右開胸を行い, まず体動脈より右肺へ供給される異常動脈を切離し体外循環下にScimitar veinと左房との直接吻合を行った. この際, 肺実質の一部を切開し肺静脈に過度の緊張や屈曲を来さぬように配慮した. 術後経過は良好である. 本術式はASDの無いものあるいはScimitar veinの還流が肝静脈より下方にあるものに対しては有用であると思われた. 部分肺静脈還流異常症の中で右肺静脈が, 下大静脈に還流するScimitar症候群は, 比較的まれな疾患である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
Scimitar症候群, 部分肺静脈還流異常症, 肺静脈左房吻合 |