アブストラクト(37巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 有茎大網弁充填術による有瘻性菌球型肺アスペルギルス症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 沖津宏, 中嶋伸, 高橋英介, Prakash SAYAMI, 加藤良二*, 早田義博
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科, *群馬大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 11
Page : 2434-2438
Year/Month : 1989 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 既存の空洞に発生する菌球型肺アスペルギルス症の手術術式は肺葉切除が最も望ましい術式であるが, 肺葉切除後の死腔に発生した場合, 残存肺葉を含めた空洞の切除を行うことは過大な手術侵襲が予想される. そこで筆者らは肺葉切除後の死腔に発生した有瘻性菌球型肺アスペルギルス症に対し, 有茎大網弁充填術を施行し良好な結果を得たので報告する. 症例は53歳, 男性で喀血, 膿性痰を主訴とした. 8年前に肺結核のため左上葉切除をうけ, この際の残存肺の膨張不全に起因する死腔に発生した有瘻性菌球型肺アスペルギルス症と診断した. 手術は空洞切開・菌球摘出及び有茎大網弁の胸骨下経路による空洞充填術を施行した. 患者は術後, 臨床症状の著明な改善を得, 術後18日に退院となり元気に社会復帰している. 菌球型肺アスペルギルス症は既存の空洞内にアスペルギルス菌体が発育した難治性の疾患であり, その治療は肺切除が第一義的な根治療法とされている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺アスペルギルス症, 有茎大網弁充填術
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