アブストラクト(37巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 3カ月未満乳児大動脈弓離断症の外科治療
Subtitle : 原著
Authors : 山口眞弘, 大橋秀隆, 今井雅尚, 大嶋義博, 前田裕己, 細川裕平*, 築部卓郎*, 橘秀夫**
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立こども病院心臓血管胸部外科, *神戸大学医学部第2外科, **三木市民病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 12
Page : 2483-2488
Year/Month : 1989 / 12
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 最近6年間に8例の3カ月未満乳児IAAに外科治療が行われた. 病型はA型5例, B型3例で7例にVSD, 1例にA-P windowの合併がみられた. 手術時年齢は平均20日, 体重は平均3.4kgで, 6例が新生児例であった. VSD合併7例に対しては二期的アプローチにより, 大動脈弓再建+PABが5例に, 大動脈弓再建のみが2例に行われた. 大動脈弓再建法は, Blalock-Park法, 5, reversed Blalock-Park法1, 8mm人工血管のinterposition2例であった. 弓再建とA-P window閉鎖を同時に行った1例を早期に失ったが, 二期的アプローチの7例全例が生存した. これら7例に対しPAB追加が1例に, patch aortoplastyが2例に, また根治手術としてVSD閉鎖が3例に, LVOTO合併の1例にDamus-Kaye-Stansel手術様修復が行われ, 内6例(86%)が生存し, 平均3年のfollow-upで全例順調に経過している. この成績から, われわれは現時点での乳児期IAAの治療方針として, 1.simple VSD合併例ではリスクの高い合併症を有する例においてもPABが極めて有効であったことから, 大動脈弓再建とPABを同時に行う二期的アプローチ, 2.高度LVOTO, 総動脈幹症やA-P windowなど, PABでコントロールが困難であると考えられる合併奇形を有する例では一期的手術の方がより高い救命率が得られる可能性があると考えている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈弓離断症, 乳児, 二期的手術, 肺動脈紋扼術, 外科治療成績
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