アブストラクト(37巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 腫瘍血管の著明に発達した高齢者右房粘液腫の1手術治験例
Subtitle : 症例
Authors : 白井俊純, 天野純, 橋添元胤, 砂盛誠, 鈴木章夫, 片岡直之*
Authors(kana) :
Organization : 東京医科歯科大学胸部外科, *横須賀共済病院内科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 12
Page : 2543-2546
Year/Month : 1989 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は胸部レ線異常, 及び炎症反応強陽性の72歳の女性で, 心臓エコー検査, 上下大静脈造影で右房内ほぼ全体を占める腫瘍を認めた. 選択的冠動脈造影では両側冠動脈より栄養血管が流入し, 腫瘍内には著明な腫瘍血管を認めた. 巨大な心房粘液腫の診断で手術を施行した. 心臓を切開すると, 右房壁より腫瘍が透見され, それを避けて脱血カニューレを挿入した. 心房中隔切除部はテフロンファブリックパッチにて閉鎖した. また, 右房自由壁が癒着していたため同部を合併切除しZ-plastyを用いて閉鎖した. 術後経過は順調であった. この様な大きな右房粘液腫では, 手術時に三尖弁への嵌頓や塞栓を起こさないように注意すると共に右房自由壁の処理についても注意する必要があった. 近年, 超音波検査法等の発達により心臓粘液腫の報告例も増加してきた. 今回われわれは, 栄養血管を含めて腫瘍血管が著明に発達した右房粘液腫の1手術治験例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 右房粘液腫, 冠動脈造影, 腫瘍血管, 右房自由壁合併切除
このページの一番上へ